屋根裏王国物語 第2話 【居酒屋の店長として学んだこと 

僕がこうして開業できるに至ったのは間違いなく、周りの人のおかげです。

自分一人では本当に何も出来なかったです。

月並みな事を言うようですが、本当にその通りなので仕方ありません笑

 

 

僕は塚田農場という居酒屋を運営するAPカンパニーという会社に新卒で入社して、丸7年間勤めました。

同期の半分くらいはアルバイトやらで飲食店の経験があった中で、当時の僕は飲食経験がゼロに等しく、まさに右も左も変わらない状態でした。

 

ただ飲食経験がないだけならまだしも、自分の経験値や能力に対して夢だけが大きかったので、無知であるが故に変に自信過剰なところがありました。

 

つまりは生意気でした笑

 

そのくせ朝に弱く、研修や会議に遅刻することも多かったです。

さらに、2ヶ月の研修店舗での仮配属が終わり、いよいよ本配属となった新宿の店舗。

その配属初日に、自分が接客していたお客さんを怒らせてしまいメニューで横っ面をひっぱたかれるという伝説まで作る始末笑

 

後に聞いた話ですが、当時お店のスタッフ達からは「とんでもない新人が来たぞ」と陰でささやかれていたそうで、当時のスタッフには今でも笑い話にされております笑

 

そんな僕も少しずつ社会の荒波にもまれて(?)ほんの少しくらいは使えるようになってきたんじゃないかというタイミングで、店長が異動になり、その当時の副店長が繰り上がりで店長になることになったのですが、この副店長が店長就任後わずか2,3ヶ月で病気を患い退職してしまったのです。

 

そして、後に残されたのは入社半年の新入社員(僕)と料理長のみ。

 

当時は会社も小さく社員数も少なかったので、何とその状態で2ヶ月お店を回していく事になるですが、結果的に見ればこの出来事は僕を大きく成長させることになるのでした。

 

突然やったとこもないシフト作りやら店舗ミーティングの進行をすることになったり、店長代理としてとにかく必死にならざるを得ない状況でした。

正直あまり覚えていないくらい忙しかったです笑

ただ、その当時のお店のアルバイトスタッフがとても優秀で、かなり支えてもらって、なんとか大きな事件もなく乗り切ったと記憶しております。

この経験は良い意味でも悪い意味でも僕に仕事に対するプライドを与えてくれたのでした。

 

その後無事飲食経験のあるベテランの中途社員の方が配属され、ようやく一安心。

そして、この時配属されてきた社員キクさんとの出会いがさらに僕を成長へ導いてくれたのです。

残念ながら2ヶ月程度しか同じ店舗で働く機会はなかったのですが、僕が初めて尊敬した人がこのキクさんです。

 

とにかく経験豊富で、僕の知らないことを沢山教えて頂きました。

最も尊敬していたところは、僕の悩みに対して必ずと言っていいほど正解を持っていたことです。

しかも、上辺のアドバイスじゃなく、物凄く説得力のある正解でした。

こんな人になりたいと憧れて、キクさんの姿を見て、スタッフのマネジメントや、物事の考え方を学びました。

 

余談ですが、キクさんも独立開業し、居酒屋を商っております。僕も屋根裏堂開店の折には、また相談させて頂く機会がありました。

僕も7年勤めてそれなりに成長してきたつもりですが、つい気が緩んでポロっと「こんな事をやりたいけど、でもこんな問題があって、大丈夫なのか、、、」と不安を吐露した際に

 

「そんなの良いからさ。やっちゃえば良いんだよ。やっちゃえよ。」

 

と、ただ一言そう言われた時、途端に不安な気持ちが和らいで、ああ、やっぱりこの人には敵わないなと思いました笑

言ってる事は物凄ーく無責任なのに(笑)なんでこんなにスッと入ってくるのか、、、それは僕の事を良く理解した上でそう言ってくれたからだと僕自身が感じているからだと思います。

 

さて、僕が尊敬している上司はもう一人います。

その方は僕が新宿から中野の店舗に異動になった際に上司になった笠井さんという方です。

 

笠井さんも飲食経験者の中途社員で、笑顔を絶やさない優しさと、礼儀にうるさい厳しさを兼ね揃えておりました。

異動の多い会社の中では珍しく、6年間僕は笠井さんの元で働くことになるのですが、僕が一番迷惑をかけてきた方です笑

当然、一番怒られた方でもあります笑

 

笠井さんの凄い所はとにかく根気強い所でした。

怒られても怒られても遅刻を繰り返す僕を決して見放さず、どうやったら改善できるのかを一緒に悩んでくれました。

もはや黒歴史なのですが、当時の僕は本当に2ヶ月に1回くらいは遅刻をしてました。

その都度本気で反省している(つもり)のに、それでも繰り返してしまう、もはや厄介な病気みたいな状態でした。

 

学生ならまだしも社会人ですからね?

 

なんと遅刻が原因で店長昇格を3ヶ月見送られたことがあるくらいでした。あり得ないですね。

僕が店長に上がれるようにせっかく口添えしてくれていた笠井さんや当時一緒に働いていた料理長。

他にも多くの人の期待を踏みにじってしまったのです。

 

しかし、それを機に僕は遅刻をしなくなりました。

どうして治ったのかは自分でもよくわかりませんが、恐らくは本当の意味での責任感が芽生えたからだと思います。

 

ただ、生意気なのは相変わらずで、笠井さんには本当に多大な心労をかけてしまいました。

その分固い絆のようなものを感じるようにもなっており、どんなことでも相談できたし、怒られもすれば、逆に生意気にも僕が意見するようなことがあっても、それを正面から受け止めてくれて、自分が間違ってると思ったら部下の僕に対して頭を下げることもあるような、そんな器の大きさを持っていました。

 

笠井さんからはそういった人の内面の正しさを教わり、また数字に関しても非常に強かったので、実務の面でも非常にお世話になりました。

 

ちなみに僕が退職を決め、真っ先に報告した際も、背中を押してくれました。

感謝してもしたりない方です。

 

そんなわけで、尊敬する上司にも恵まれ、日々の営業に励んでいると、ついに僕にも新店立ち上げに携われる機会が訪れました。

いずれ自分で店を出そうとしている僕に取っては待望のチャンスでした。

 

何もない状態から店を作っていくのは本当に大変なことで、同時にやりがいもありました。

「あ、そうか、あれも自分で用意しなくちゃいけないのか!」みたいなことが多くて、普段何気なく使っているものや、気にする事もなかった自分の中での当たり前のルールを改めて共有したり、全てが初めての経験で、自分の店を開ける良い予行練習になっていたと思います。

 

 

しかし、働いていく中で色々な事を知れば知るほど

 

「本当にこのままで店を開けることなんてできるのか?」

「今のままでいいのか?」

「20代で店を開けられるイメージが本当にできているのか?」

 

と、疑問とを持つようになるのでした。

 

 

 

 

さて、予想はしていましたが中々の文章量になってしまったので、一旦ここらへんで区切ろうかと思います。

そんなに面白くはないかもしれないですけど、ここまで読んでくれた方はぜひお楽しみに!

 

次回 屋根裏王国物語 第3話 【居酒屋の店長として学んだこと◆曄9月21日更新

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