屋根裏王国物語 第3話 【居酒屋の店長として学んだこと◆

 

突然ですが、タロットカードに「愚者」というカードがあります。

 

1年前くらいに人の影響を受けて唐突にタロット占い覚えようと思って本を読んだりしていたのですが、まぁその話はさて置き、この上の画像のカードが「愚者」です。

タロットは絵柄にも意味が込められていて、その解釈も人ぞれぞれとんでもなく色々あるので正解とかないのですが、一応ベースとしての解釈曰く、愚者はプラスの要素もマイナスの要素も持つカードだそうです。

 

名前の響きだけ聞くとマイナスっぽいんですけどね。

タロットにおける一番最初のカードがこの愚者なんですが、それ自体が「始まり」を暗示しているそうです。

 

絵を見ると、黄金の空に浮かぶ煌々と輝く太陽が男の未来を明るく照らしているように見えます。

しかしよく見ると男は崖っぷちに立っているにも関わらず、足元を見ずにただ上だけを見上げて歩いています。

それに、これから旅に出ようというのに手荷物はずいぶんと少ないですね。物資は旅先で調達すればいいさって事なんですかね。

よく言えば前向き、悪く言えば見通しが甘い。

 

さて、そんな彼の足元には目の前に崖が迫っている危機を知らせようと相棒の犬が必死に訴えています。

輝かしい未来に盲目しているこの若者は果たして、周囲の話にも耳を傾け、足元をちゃんと確かめて崖から転げ落ちずに進んでいけるのでしょうか。

 

無知ゆえの勇気と、無知ゆえの弱み。

良くも悪くも可能性に満ちたカード。それが愚者なんだそうです。

 

 

さて、何でいきなりタロットの話をし始めたのか。

大丈夫です、ちゃんと繋がります笑

 

と言いますと、入社当時僕はまさしく「愚者」でした。

飲食ほぼ未経験。

学部で経営を専攻していたわけでもない。

泳いだことないのに海賊王目指しているような状態ですね笑

でも、なぜか謎の自信だけありました。

 

さっきのも書きながら改めて、あれ、これ自分の事かな?って思いました笑

ならば、この若者を自分に投影するならば、僕にとっての犬(心配してくれる人、忠告してくれる人)というのは、やはり会社の上司や、仲間でした。

 

上司については前回書いたので、今回はそれ以外の事を書こうと思います。

 

 

 

まず、僕が勤めていた会社はかなり研修が多く、新卒は特に色々ありました。

それは数字どうこうという研修ではなく、そのほとんどがコミュニケーションやマネジメント等、教育に関するものか、いわゆる人間力を高めるためのものでした。

 

オリエンタルランドが行っている社外セミナーのおもてなし研修に参加させてもらったりもして、僕の仕事に対する考え方は、前の会社で固まったといっても差支えないと思います。

 

一般的に飲食業というのは長時間勤務でブラックというイメージがあると思うのですが、入社当時の僕は勤務時間の長さで言ったら確かに1日12時間くらいは当たり前に働いてました。

週末になるともっと長時間になることもありました。

(もっとも、退社する1年前くらいからはコンプライアンスにうるさくなって、そんなこともなくなっておりましたが)

 

入社1年目は、研修や会議も参加しつつ、普段の営業も、という風になると確かにしんどく感じるような時もありましたが、飲食業に対して、何のイメージも持っていなかった僕は「まぁ、こんなもんなんだろう」程度にしか思っていなかったです笑

 

そして、店舗に関する数字などに関しては、物凄くじっくり教えてもらうということはあまりなかったのですが、働いているうちに自然と身についてきました。

 

 

 

そうなってくると、じゃあ、どうやったら店をもてるのか?と考えだすのですが、幸いにも僕が一緒に働いていたのはかつて自分で店を出したことがあったり、また、僕と同じく独立開業を目指している人が多かったのです。

そして実際に僕より先に会社を辞めて独立を果たした人も数名いました。

 

なので、リアルな声も含めていろいろと本当に参考になる話を聞かせてもらうことが出来ましたし、人を紹介してもらったりもしました。

 

僕が店を無事に開けられた外的要因はこれが一番大きかったと思います。

やっぱり、経験に基づく意見やアドバイス程参考になるものはないです。

 

 

「その気持ちの感じで行ったら間違いなく失敗しますよ」

 

 

とハッキリと目を見据えて言ってくれた人もいました。

実際に苦労も知っている人の意見なので本当に突き刺さりました。

 

飲食店の開業というのは、水商売なので、当然失敗するリスクは孕んでいます。

そのリスクをゼロにするのは不可能です。

でも、それをなるべく少なくすることなら出来る。

 

前を向いて上を目指しながらも、ちゃんと足元に気を配る。

それでも、万が一足を踏み外して転がり落ちたとしても、一番最後まで落ちずに踏ん張れるようにピッケルを用意しておく。

そして、なによりその覚悟もちゃんとしておく。

 

その上で、ポジティブに歩いていく。

 

ただ楽観的な人の事はポジティブとは言わない。

リスクマネジメントもしっかりしているからこそ失敗を恐れないで勇気を持って足を一歩前に踏み出せる。

転ばぬ先の杖を持っている人こそが、真のポジティブなんだと、その人は言っていました。

 

その言葉を受けて、僕も本当の意味で覚悟が決まったのだと思います。

 

 

 

人の意見を聞くのは本当に大事です。

でも、やってみないことには本当の意味では分からないことの方が多いです。

百聞は一見に如かず、千聞とてまた然り。

 

未体験の事を実際に体験した人と同じくらい理解する事は出来ないんです。

そのことが良い意味でも悪い意味でも自分の精神に影響します。

 

「そんなのやってみないと分からないじゃん!」ってやつですね。

 

余談ですけど、ドラマとかでこのセリフを言う人は大体失敗してますよね笑

でも、うまいことやり遂げるパターンがあるのも事実。

世の中の大抵の発明家は最初は誰にも相手にされなくて孤独だったんです。

 

だから最終的に決めるのは自分なんです。

責任を取るのももちろん自分。

でも、そんなことは多分言われなくてもみんな分かってると思います。

 

分かってるけど、でも、不安は消しきれない。

それが普通なんです。

むしろその気持ちがないと本物の愚者になってしまうのだと思います。

 

不安な気持ちと闘いながら、それでも、自分が信じる道を歩いていく覚悟。

その覚悟が決まらないうちはまだ、一歩を踏み出すべきではないかもしれません。

 

 

 

「その気持ちの感じで言ったら間違いなく失敗しますよ」

 

 

 

この言葉はいまいち覚悟が決まっていない僕が腹をくくるきっかけになりました。

恐らくそれが分かっていて敢えて言ってくれたんだと思います。

 

失敗が怖くないといえば勿論嘘になります。

でも、ここで失敗しても死ぬわけじゃない。

本気でやり切って、やり切った上での結果ならそれを否定せずにちゃんと受け止める。

 

それが僕なりの覚悟です。

そして、僕は7年勤め、本当にお世話になった会社を退社するのでした。

 

 

 

「それでも、形にせずにはいられないんです。一回きりの人生ですから」

 

 

 

 

次回 屋根裏王国物語 第4話【ついにまともに貯金を始めた事】 9月28日更新!

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